グローバルX 半導体とは?
グローバルX 半導体ETF(2243)は、米国に上場する半導体関連企業にまとめて投資できる、東京証券取引所に上場したETFです。
連動する指数は、フィラデルフィア半導体株指数(配当込み・円換算ベース)。「SOX指数」という名前を聞いたことがある方なら、それに連動するETFだと思っていただければ、イメージしやすいと思います。
投資先には、エヌビディア・ブロードコム・AMD・マイクロン・ラムリサーチ・ASML・TSMCといった、半導体産業を代表する企業が顔を揃えています。チップの設計・製造を手がける企業だけでなく、製造装置メーカーやEDA・IP企業、メモリ、アナログ半導体、受託製造(ファウンドリ)など、半導体のバリューチェーン全体にわたる企業が幅広く組み入れられているのが特徴です。
運用会社であるGlobal X Japanの公式ページでも、「米国に上場している半導体関連事業——設計・製造・流通・販売などを行う企業への投資を目指す」と説明されています。
グローバルX 半導体の基本情報
※数値は主にグローバル X 公式ページ、2026年5月1日時点の情報を参考にしています。
- 正式名称:グローバルX 半導体 ETF
- ティッカー:2243
- 運用会社:Global X Japan株式会社
- 連動指数:フィラデルフィア半導体株指数(配当込み、円換算ベース)
- 上場市場:東京証券取引所
- 設定日:2023年4月11日
- 経費率:年0.4125%(税込)
- 組入銘柄数:30銘柄
- リバランス頻度:年4回
- 配当頻度:年2回(基準日:毎年3月24日、9月24日)
- 配当利回り:約0.1〜0.2%前後
- 純資産総額:239.00億円
2243の大きな特徴は、日本円のままSOX指数に近い投資ができる点です。米国ETFを直接購入しなくても、東証で1口単位から売買できるため、日本の証券口座だけで米国の半導体株にアクセスできます。
グローバルX 半導体の構成銘柄の選定方法
- 米国の主要取引所に上場している銘柄を対象とする
- ICB分類で「Semiconductors」または「Production Technology Equipment」に分類される銘柄を対象とする
- 時価総額が1億米ドル以上の銘柄を対象とする
- 基準日を含む直近6か月の各月で、150万株以上売買されている銘柄を対象とする
- 新規上場月を除き、少なくとも3か月以上取引されている銘柄を対象とする
- 米国の登録オプション市場で上場オプションがある、または上場オプション取引の対象になり得る銘柄を対象とする
- 近く上場廃止や買収などにより、指数の対象外になる可能性が高い企業は対象外
- 条件を満たす銘柄の中から、時価総額上位30銘柄を選定する
- 構成比率は基本的に時価総額加重
- 時価総額1位の銘柄は最大12%
- 時価総額2位の銘柄は最大10%
- 時価総額3位の銘柄は最大8%
- それ以外の銘柄は1銘柄あたり最大4%
- 銘柄入れ替えは原則として年1回
- 構成比率の見直しは年4回
この指数は、半導体関連企業を単純に均等に並べるものではありません。基本は時価総額を重視しつつ、特定の超大型銘柄に偏りすぎないよう、銘柄ごとに上限が設けられています。
たとえばエヌビディアやブロードコムのような大型企業は指数の中心になりやすいですが、上限ルールがあるため、1社だけが指数全体を大きく左右しすぎない仕組みになっています。
一方、30銘柄に絞り込む分、集中度はかなり高めです。S&P500やNASDAQ100のような幅広い指数とは性格が異なり、半導体テーマに強く特化したETFと理解しておくとよいでしょう。JPXの資料でも、SOX指数は流動性要件を満たす半導体関連企業の時価総額上位30銘柄で構成され、上位銘柄にはウェート上限が設けられていると説明されています。
グローバルX 半導体の全構成銘柄と比率
データ取得日:2026年5月6日
情報元:Solactive ETF Services「2243.csv」
※構成比率はCSV内の保有数量と価格をもとに当サイトで概算計算しています。CSV自体に比率は記載されていません。
| ティッカー | 構成銘柄 | 国名 | 比率 | 説明 |
|---|---|---|---|---|
| NVDA | エヌビディア | 米国 | 10.23% | AI向けGPU・データセンター向け半導体で世界的に強い企業。 |
| AVGO | ブロードコム | 米国 | 10.03% | 通信半導体やAI向けカスタム半導体に強みを持つ大手企業。 |
| MU | マイクロン・テクノロジー | 米国 | 8.00% | DRAMやNANDなどメモリ半導体を手がける大手企業。 |
| INTC | インテル | 米国 | 6.65% | CPU大手。半導体製造・ファウンドリ事業の再建も進める企業。 |
| MRVL | マーベル・テクノロジー | 米国 | 6.15% | データセンター、通信、AI向け半導体で成長期待のある企業。 |
| AMD | アドバンスト・マイクロ・デバイセズ | 米国 | 5.48% | CPU・GPU・AIアクセラレーターを手がける半導体大手。 |
| TXN | テキサス・インスツルメンツ | 米国 | 3.99% | アナログ半導体・組み込み半導体に強い老舗企業。 |
| QCOM | クアルコム | 米国 | 3.78% | スマートフォン向け半導体や通信技術に強い企業。 |
| MPWR | モノリシック・パワー・システムズ | 米国 | 3.48% | 電源管理ICに強み。データセンターや産業機器向け需要がある。 |
| KLAC | KLA | 米国 | 3.45% | 半導体検査・計測装置に強い企業。 |
| ADI | アナログ・デバイセズ | 米国 | 3.40% | アナログ半導体、センサー、産業・車載向け半導体に強い企業。 |
| LRCX | ラムリサーチ | 米国 | 3.34% | 半導体製造装置メーカー。エッチング装置などに強み。 |
| NXPI | NXPセミコンダクターズ | オランダ | 3.33% | 車載半導体や産業向け半導体に強い企業。 |
| TSM | 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング ADR | 台湾 | 3.23% | 世界最大級の半導体受託製造企業。 |
| AMAT | アプライド・マテリアルズ | 米国 | 3.18% | 半導体製造装置の世界大手。成膜・材料・製造技術に強み。 |
| ASML | ASMLホールディング ADR | オランダ | 2.99% | 先端半導体製造に不可欠な露光装置で圧倒的な存在感を持つ企業。 |
| COHR | コヒレント | 米国 | 2.76% | 光通信、レーザー、半導体材料関連に関わる企業。 |
| TER | テラダイン | 米国 | 2.42% | 半導体テスト装置の大手。製造工程の検査分野を担う。 |
| MCHP | マイクロチップ・テクノロジー | 米国 | 2.27% | マイコン、アナログ半導体、組み込み向け製品に強い企業。 |
| ON | オン・セミコンダクター | 米国 | 1.81% | 車載・産業向けパワー半導体やセンサーに強み。 |
| GFS | グローバルファウンドリーズ | 米国 | 1.61% | 半導体受託製造企業。成熟プロセスにも強み。 |
| ALAB | アステラ・ラブズ | 米国 | 1.54% | データセンター向け接続半導体で注目される企業。 |
| CRDO | クレド・テクノロジー・グループ | 米国 | 1.43% | 高速接続・データセンター向け通信半導体を手がける企業。 |
| ARM | アーム・ホールディングス ADR | 英国 | 1.32% | 半導体IP設計企業。スマホ、サーバー、エッジAI領域で重要性が高い。 |
| ENTG | インテグリス | 米国 | 0.97% | 半導体材料、薬液、フィルターなど製造プロセスを支える企業。 |
| MTSI | MACOMテクノロジー・ソリューションズ | 米国 | 0.95% | 高周波・光通信・防衛向け半導体に強み。 |
| NVMI | ノヴァ | イスラエル | 0.70% | 半導体製造工程向けの計測・検査装置を手がける企業。 |
| RMBS | ラムバス | 米国 | 0.54% | メモリ・インターフェース技術や半導体IPを提供する企業。 |
| SWKS | スカイワークス・ソリューションズ | 米国 | 0.47% | 無線通信向け半導体を手がける企業。 |
| QRVO | コルボ | 米国 | 0.39% | RF半導体や通信向け部品に強みを持つ企業。 |
組み入れ銘柄を見ると、2243はかなり幅広い半導体ETFだと感じます。エヌビディアのようなAI半導体の中心企業だけでなく、製造装置・メモリ・アナログ半導体・通信半導体・ファウンドリ・検査装置まで含まれています。
つまり、「AI関連銘柄に集中投資するETF」というよりも、半導体産業全体の成長を取りにいくETFという性格が強いです。特定の1社への集中を抑えつつも、30銘柄に絞ることでテーマ型ETFらしいダイナミックさも持ち合わせています。
グローバルX 半導体の過去のリターン
データ取得日:2026年5月5日
情報元:Global X Japan公式ページ、Bloomberg、JPX資料
| 期間 | 対象期間 | リターン |
|---|---|---|
| 1年 | 2025/05/01 → 2026/05/01 | +164.75% |
| 3年 | 2023/05/01 → 2026/05/01 | 公式値未公表 |
| 5年 | 2021/05/01 → 2026/05/01 | データなし |
| 10年 | 2016/05/01 → 2026/05/01 | データなし |
| 設定来 | 2023/04/11 → 2026/05/01 | +56.73%(年率) |
Global X Japanの公式ページによると、2026年5月1日時点の累積リターン(基準価額ベース)は、1か月+36.85%、3か月+29.05%、6か月+47.94%、設定来+294.71%となっています。
2243は設定からまだ日が浅く、5年・10年といった長期の実績はありません。ただ、設定来のリターンは非常に大きく、その背景には生成AIブームやデータセンター投資の拡大、半導体製造装置の需要増、メモリ市況の回復、そして円安による円建てリターンの押し上げといった要因が重なっています。
ただし、このリターンだけを見て「今後も同じように上がり続ける」と考えるのは禁物です。半導体株は景気の影響を受けやすく、好調な局面では大きく上昇しますが、需要の減速・在庫調整・金利上昇・米中間の規制強化といった逆風が重なると、値下がり幅も大きくなりやすい特性があります。
NASDAQ100と日経平均との比較

2243は、NASDAQ100や日経平均と比べても値動きがかなり大きいETFです。
NASDAQ100はエヌビディア・マイクロソフト・アップル・アマゾン・メタ・アルファベットなど、AI・クラウド・ソフトウェア・半導体を含む米国大型テック株で構成されており、テック全般に幅広く投資できます。一方、2243は半導体に特化しているため、AI成長の中心に近いテーマへ集中投資できる反面、半導体サイクルの影響をより直接的に受けます。上昇局面ではNASDAQ100を大きく上回ることもありますが、下落局面ではそれ以上に値下がりしやすい点も覚えておきたいところです。
日経平均と比べると、さらにテーマ性の違いが際立ちます。日経平均にも東京エレクトロン・アドバンテスト・レーザーテックといった半導体関連銘柄は含まれていますが、指数全体としては日本の大型株に幅広く分散されています。2243は米国上場の半導体関連30銘柄に絞り込んでいるため、半導体市況の変化により敏感に反応します。
JPXの資料によると、2243の市場価格は2023年4月13日を起点にTOPIXを大きく上回る推移を示しており、2026年2月27日時点の過去1年騰落率は2243が+78.90%、参考TOPIXが+46.85%となっています。
ざっくり整理すると、以下のような位置づけになります。
| 指数・ETF | 特徴 | 値動き |
|---|---|---|
| グローバルX 半導体(2243) | 米国上場の半導体関連30銘柄に集中 | 大きい |
| NASDAQ100 | 米国大型テック中心。半導体以外も含む | やや大きい |
| 日経平均 | 日本の大型株全般。半導体関連の影響もある | 中程度 |
2243は長期的な成長を狙えるETFですが、ポートフォリオのコアというよりは、成長テーマへの上乗せ枠として位置づけるほうが使いやすいと思います。
どの証券会社で購入できる?
2243は東証上場ETFなので、国内株式を扱う多くの証券会社で売買できます。
| 証券会社 | 取扱 | 新NISA対応 |
|---|---|---|
| SBI証券 | ○ | ○ |
| 楽天証券 | ○ | ○ |
| マネックス証券 | ○ | ○ |
| 松井証券 | ○ | ○ |
| 三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券) | ○ | ○ |
グローバルX 半導体の将来性
2243の将来性を考えるうえで押さえておきたいのは、半導体がもはや単なる電子部品ではなく、現代産業を支える基盤になっているという点です。
AI・クラウド・データセンター・自動運転・EV・ロボティクス・スマートフォン・通信インフラ・防衛・医療機器・産業機械——これらの成長分野には、ほぼ必ず半導体が関わっています。
特に今後の成長ドライバーとして注目される分野は以下のとおりです。
- 生成AI・AIデータセンター
- GPU・AIアクセラレーター
- HBMなどの高性能メモリ
- 先端半導体製造装置
- 電力効率の高いパワー半導体
- 自動車・産業機器向け半導体
- エッジAI・ロボティクス
- 半導体製造の地政学的再編
かつての半導体需要はパソコンやスマートフォンが中心でしたが、今はAIサーバー・データセンター・自動車・工場自動化・ロボット・電力インフラへと、需要の広がり方が大きく変わっています。
こうした背景から、半導体は今後も長期にわたって重要なテーマであり続ける可能性が高いと思います。2243は、その中心にあるSOX指数へ東証から投資できるETFとして、わかりやすい選択肢のひとつです。
ただし、将来性が高いことと、株価が常に上がり続けることは別の話です。半導体株は期待が先行しやすく、景気後退・設備投資の減速・在庫調整・米中規制・金利上昇といった局面では大きく売られることがあります。長期で見れば成長テーマであっても、短期では30〜40%程度の下落が起きることも珍しくありません。
その意味で、2243は「半導体の長期成長に乗るETF」ではありますが、一度に大きく投資するより、分割購入や積立でコストをならしながら付き合っていくほうが、扱いやすいETFだと感じます。
どのような人に向いているか?
向いている人
- 半導体産業の長期成長に期待している
- AI、データセンター、ロボティクス、自動運転などの成長テーマに投資したい
- 米国上場の半導体関連企業にまとめて投資したい
- SOX指数に近い投資を日本円で行いたい
- 新NISA成長投資枠でテーマ型ETFを持ちたい
- NASDAQ100よりもさらに半導体に強く寄せたい
- 値動きの大きさを理解したうえで、長期保有できる
向いていない人
- 安定した値動きを重視する
- 短期の下落に耐えにくい
- 高配当を目的に投資したい
- 半導体1テーマへの集中投資が不安
- ポートフォリオの大半を1つのテーマ型ETFに入れたい
- 為替リスクを避けたい
- 価格変動よりも安定収益を重視する
2243は魅力的なETFですが、誰にでも合う安定商品ではありません。半導体という成長テーマに強く乗れる反面、景気・需給・金利・地政学リスクといった外部要因の影響を受けやすい特性があります。
そのため、ポートフォリオの中心に据えるというより、NASDAQ100・全世界株式・S&P500などのコア資産に対して、成長テーマ枠として上乗せする形が使いやすいと思います。
半導体への期待が強い場合でも、ポートフォリオ全体の10〜20%程度に抑えるなど、リスクを意識しながら保有するほうが現実的ではないでしょうか。
まとめ
グローバルX 半導体ETF(2243)は、東証を通じて米国の代表的な半導体株指数であるSOX指数に近い投資ができるETFです。
エヌビディア・AMD・ブロードコム・マイクロン・ラムリサーチ・ASML・TSMCなど、世界の半導体産業を支える主要企業にまとめて投資できる点が大きな魅力です。
半導体は、AI・データセンター・自動運転・ロボティクス・防衛・産業機器・電力インフラなど、今後の成長分野を広く支える存在です。長期的な成長テーマとして、引き続き注目度の高い分野だと思います。
一方で、値動きの大きさは覚悟しておく必要があります。半導体市況が悪化すれば大きく下落するリスクもあり、高配当を狙うETFではなく、あくまで値上がり益を狙う成長テーマ型ETFです。
長期で半導体の成長に乗りたい方にとって、2243はかなり有力な選択肢になると思います。ただし1本に集中しすぎず、NASDAQ100・全世界株式・S&P500などのコア資産と組み合わせて、成長枠のひとつとして活用するのがおすすめです。
