iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF(2522)とは?世界のロボット・自動化関連企業に投資できる東証ETFを解説

目次

iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF(2522)とは?

iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF(2522)は、世界のオートメーション・ロボティクス関連企業にまとめて投資できる、東京証券取引所に上場しているETFです。日本企業も投資対象に含まれています。

具体的には、産業用ロボット・工場自動化・半導体製造装置・センサー・計測機器・自動運転・3Dプリンティング・AI関連技術といった、いわゆる「自動化」の分野を支える企業が対象です。これらをひとつのETFでまとめて保有できるのが、このファンドの基本的な仕組みです。

連動する指数について

このETFが連動を目指すのは、「STOXX グローバルオートメーション アンド ロボティクス インデックス(TTM・円換算・ネットリターン)」という指数です。

製造ロボティクス・自動運転・3Dプリンティング・人工知能など、40以上のオートメーション関連分野をカバーしており、対象となるのは関連事業からの売上が収益全体の50%以上を占める企業に限られています。つまり、「本業として自動化に取り組んでいる企業」だけで構成されている点が特徴です。

米国だけでなくグローバルに投資できる

2522のポイントのひとつは、米国企業だけでなく、日本・欧州を含む世界各国の企業が投資対象になっていることです。

ロボット・自動化というテーマは、半導体やAIとの関連が深い一方で、実際の工場・物流・医療・産業機器といった「現実の設備投資」とも直結しています。いわゆる「フィジカルAI」や「製造業の自動化」に関心がある方にとっては、比較的イメージしやすいETFではないでしょうか。

iシェアーズ オートメーション&ロボットの基本情報

※数値は主にブラックロック公式ページ、2026年5月1日時点の情報を参考にしています。

  • 正式名称:iシェアーズ オートメーション & ロボット ETF
  • ティッカー:2522
  • 運用会社:ブラックロック・ジャパン株式会社
  • 連動指数:STOXX グローバルオートメーション アンド ロボティクス インデックス(TTM、円換算、ネットリターン)
  • 上場市場:東京証券取引所
  • 設定日:2018年11月14日
  • 経費率:信託報酬 税込 年0.5280%程度
  • 組入銘柄数:直接保有は1銘柄、実質的には投資対象ETFを通じて世界のオートメーション・ロボット関連企業に分散投資
  • リバランス頻度:年1回、銘柄入れ替えは毎年6月
  • 配当頻度:年2回
  • 決算日:毎年2月9日・8月9日
  • 配当利回り:過去12か月分配金利回り 0.1411%
  • 純資産総額:約43.5億円 ※2026年5月1日時点、ブラックロック公式ページでは純資産総額は4,346,968,695円とされています。

2522は東証に上場しているので、日本株と同じように円建てで売買できます。売買単位は1口からで、少額でも始めやすいETFです。

ひとつ押さえておきたいのは、2522は多数の個別株を直接保有しているわけではない、という点です。実際の仕組みとしては、「ISHARES AUTOMATION&ROBOTIC-D」という外国籍ETFをほぼ100%保有する形になっています。公式ファクトシートでも、直接保有銘柄数は1銘柄と記載されています。

iシェアーズ オートメーション&ロボットの構成銘柄の選定方法

2522が連動する指数では、主に以下のような条件で銘柄が選ばれます。

  • 7,700社以上の国内外企業を母集団とする
  • 「製造ロボティクス」「無人自動車」「3Dプリンティング」「人工知能」など、40以上のロボティクス・オートメーション関連分野を対象にする
  • 関連事業からの売上が、企業収益全体の50%超を占める企業を選定する
  • 時価総額と流動性によるスクリーニングを行う
  • 分散性を確保するため、最低80銘柄を採用する
  • アダプティブキャップ型のウェイト調整を採用する
  • 銘柄入れ替えは毎年6月に行う
  • Sustainalytics社によるESG基準のスクリーニングも導入されている

この選定基準を見ると、「なんとなくロボット関連に見える企業」を集めたETFではなく、オートメーションやロボティクス事業から実際に一定以上の売上を得ている企業に絞り込んでいることがわかります。

また、最低80銘柄を採用する設計になっているため、BOTZのような比較的集中度の高いロボティクスETFと比べると、分散を重視した構成といえます。

その分、特定の銘柄に大きく依存する設計ではありません。NVIDIAやAMD、キーエンス、ファナック、アドバンテストなども組み入れ対象になりますが、1社への集中度は抑えられており、ロボット・自動化・半導体製造装置・産業機器といったテーマを幅広くカバーするイメージに近いETFです。

iシェアーズ オートメーション&ロボットの全構成銘柄と比率

データ取得日:2026年4月30日
構成銘柄データ基準日:2026年3月31日
情報元:ブラックロック公式ファクトシート

まず、2522の「直接保有銘柄」についてです。2522は投資対象ETFを通じて実質的に個別株へ分散投資する仕組みのため、公式ファクトシート上の直接保有銘柄はシンプルな構成になっています。

構成銘柄国名比率
iShares Automation & Robotics ETF(投資対象ETF)アイルランド99.92%
米ドル現金米国0.05%
日本円現金日本0.02%
ユーロ現金欧州0.00%

上記の通り、2522はほぼ全額を「iShares Automation & Robotics ETF」に投資しています。つまり、2522を購入することで、その投資対象ETFを通じて世界のロボット・自動化関連企業へ実質的に投資できる、という仕組みです。

それでは実際に、そのETFが何に投資しているのかを表にまとめてみました。

iShares Automation & Robotics ETFの全構成銘柄と比率

データ取得日:2026年4月30日
構成銘柄データ基準日:2026年4月30日
情報元:BlackRock公式「iShares Automation & Robotics UCITS ETF」保有銘柄データ
補足:2522本体ではなく、投資先である iShares Automation & Robotics ETF の実質構成銘柄をまとめています。

ティッカー構成銘柄国名比率説明
INTCインテル米国9.05%CPUや半導体製造関連で存在感のある米国半導体大手
6857アドバンテスト日本6.40%半導体検査装置の大手。AI半導体投資の恩恵を受けやすい企業
AMDアドバンスト・マイクロ・デバイセズ米国6.08%CPU・GPUを手がける半導体企業。AI向け半導体でも注目される
KLACKLA米国4.32%半導体製造工程の検査・計測装置を手がける大手企業
ABBNABBスイス3.66%産業用ロボット、電力、自動化機器を展開する欧州の大手企業
TERテラダイン米国3.59%半導体テスト装置や協働ロボット関連で知られる企業
NVDAエヌビディア米国2.93%AI半導体の中心企業。ロボティクスやフィジカルAIでも重要性が高い
MCHPマイクロチップ・テクノロジー米国2.83%マイコンやアナログ半導体を手がける半導体メーカー
ROKロックウェル・オートメーション米国2.66%工場自動化・制御システムの代表的企業
6954ファナック日本2.63%産業用ロボット、CNC、工場自動化で世界的に知られる日本企業
GRMNガーミンスイス2.53%GPS、センサー、ウェアラブル機器などを展開する精密機器企業
SIEシーメンスドイツ2.50%産業オートメーション、電力、インフラを手がける欧州大手
EMRエマソン・エレクトリック米国2.34%産業用制御機器、計測機器、自動化ソリューションを展開
6861キーエンス日本2.32%センサー、画像処理、測定機器などFA分野で高収益を誇る企業
CRDOクレド・テクノロジー米国1.93%高速通信・データセンター向け半導体関連企業
ISRGインテュイティブ・サージカル米国1.83%手術支援ロボット「ダヴィンチ」で知られる医療ロボット企業
ADSKオートデスク米国1.69%CAD・設計ソフトを提供し、製造・建設・設計自動化を支える企業
6920レーザーテック日本1.67%半導体マスク検査装置で高い競争力を持つ日本企業
HEXA Bヘキサゴンスウェーデン1.49%測量、センサー、産業用ソフトウェアを展開する計測技術企業
HLMAハルマ英国1.48%センサー、安全機器、医療・環境関連機器を展開する企業
SNOWスノーフレイク米国1.39%クラウドデータ基盤を提供するソフトウェア企業
FTVフォーティブ米国1.32%計測機器、産業技術、プロフェッショナル機器を展開
ROPローパー・テクノロジーズ米国1.31%産業向けソフトウェアや計測機器を持つ高収益企業
SAPSAPドイツ1.19%企業向け基幹システムや業務ソフトウェアの世界的大手
LSCCラティス・セミコンダクター米国1.09%低消費電力FPGAなどを手がける半導体企業
CSUコンステレーション・ソフトウェアカナダ1.08%業界特化型ソフトウェア企業を多数保有するソフトウェア企業
6383ダイフク日本1.08%物流自動化・マテリアルハンドリング設備の大手
PTCPTC米国1.07%CAD、PLM、IoT、デジタルツイン関連ソフトを展開
DSYダッソー・システムズフランス1.06%3D設計、シミュレーション、製造業向けソフトウェアの大手
WDAYワークデイ米国1.03%人事・財務クラウドを提供する業務ソフトウェア企業
NDSNノードソン米国1.02%精密塗布装置や産業用加工装置を展開する企業
LECOリンカーン・エレクトリック米国0.97%溶接機器・自動化溶接システムを手がける企業
ONTOオントゥ・イノベーション米国0.94%半導体製造工程向けの検査・計測装置を展開
NVMIノヴァイスラエル0.94%半導体製造工程向け計測・検査装置メーカー
NOWサービスナウ米国0.93%業務プロセス自動化を支えるクラウドソフトウェア企業
MSTRストラテジー米国0.90%企業向け分析ソフトウェアを展開する企業
3443グローバル・ユニチップ台湾0.76%ASIC設計サービスを手がける半導体設計企業
SGEセージ・グループ英国0.76%中小企業向け会計・業務ソフトウェア企業
METSOメッツォフィンランド0.72%鉱山・産業設備向けの機械・自動化ソリューションを展開
3661アルチップ・テクノロジーズ台湾0.67%AI・高性能半導体向けASIC設計企業
G1AGEAグループドイツ0.65%食品・製薬などの産業用機械、自動化設備を展開
6506安川電機日本0.61%産業用ロボット、サーボモーター、インバーターの大手
4684オービック日本0.61%企業向け基幹システムを提供する日本のソフトウェア企業
3008大立光電(ラーガン・プレシジョン)台湾0.56%スマートフォン向けカメラレンズなど精密光学部品を製造
6645オムロン日本0.47%制御機器、センサー、ヘルスケア機器を展開する日本企業
SLABシリコン・ラボラトリーズ米国0.46%IoT向け半導体やワイヤレスチップを手がける企業
KCRコネクレーンズフィンランド0.45%産業用クレーンや港湾荷役機器を展開
EPAMEPAMシステムズ米国0.42%デジタル開発・ITコンサルティングを手がける企業
OTEXオープンテキストカナダ0.38%企業向け情報管理ソフトウェアを提供
BSYベントレー・システムズ米国0.38%インフラ設計・エンジニアリング向けソフトウェア企業
TNEテクノロジー・ワンオーストラリア0.38%行政・教育機関向け業務ソフトウェアを展開
MXLマックスリニア米国0.38%通信・データセンター向け半導体を手がける企業
JBTMJBTマレル米国0.38%食品加工・自動化設備を展開する企業
ESABESAB米国0.36%溶接・切断機器を手がける産業機器メーカー
6845アズビル日本0.31%ビル・工場向け制御機器、計測機器を展開
NOVTノヴァンタ米国0.30%精密部品、レーザー、医療・産業用機器を展開
5631日本製鋼所日本0.30%産業機械、樹脂機械、防衛関連機器などを展開
ESTCエラスティック米国0.28%検索・ログ解析・セキュリティ関連ソフトウェアを提供
NEMネメチェクドイツ0.27%建築・設計・建設向けソフトウェア企業
PATHUiPath米国0.27%RPA、業務自動化ソフトウェアを提供
277810レインボー・ロボティクス韓国0.26%協働ロボットやヒューマノイド関連で注目される韓国企業
TTANサービスチタン米国0.25%建設・設備サービス業向け業務管理ソフトウェア企業
VALMTバルメットフィンランド0.25%紙パルプ・エネルギー向け産業機械、自動化システムを展開
KGXキオン・グループドイツ0.24%フォークリフト、倉庫自動化、物流機器を展開
IPGPIPGフォトニクス米国0.24%ファイバーレーザーを手がける産業用レーザー企業
KAIケイデント米国0.22%製紙・産業プロセス向け機械装置を展開
9880優必選科技(UBTECH Robotics)中国0.22%教育・サービス・ヒューマノイドロボット関連企業
TOTS3TOTVSブラジル0.21%中南米の企業向け業務ソフトウェア大手
2049上銀科技(HIWIN Technologies)台湾0.21%リニアガイドや精密駆動部品を手がける企業
ATSATSカナダ0.20%工場自動化・製造ライン自動化システムを提供
IFCNインフィコンスイス0.20%真空計測、半導体・産業向けセンサー機器を展開
MNDYmonday.comイスラエル0.20%業務管理・プロジェクト管理ソフトウェアを提供
AMBAアンバレラ米国0.19%画像処理・AIビジョン向け半導体を手がける企業
PSNパーソンズ米国0.17%インフラ、防衛、デジタルソリューション関連企業
SYMシンボティック米国0.17%倉庫自動化・物流ロボティクス関連企業
TDCテラデータ米国0.16%データ分析基盤を提供するソフトウェア企業
HIABヒアブフィンランド0.15%荷役機器、車載クレーン、物流機器を展開
RSWレニショー英国0.15%精密計測、3Dプリンティング、産業用センサーを展開
6324ハーモニック・ドライブ・システムズ日本0.14%精密減速機を手がけ、ロボット関節部品で重要な企業
KARNカーデックススイス0.14%倉庫自動化・保管システムを展開
KALMARカルマーフィンランド0.14%港湾・物流向け荷役機器、自動化機器を展開
6526ソシオネクスト日本0.14%SoC設計を手がける日本の半導体設計企業
JENイエノプティックドイツ0.13%光学機器、レーザー、半導体関連装置を展開
KRNクローネスドイツ0.13%飲料・食品向け包装・生産ライン設備を展開
268Aリガク・ホールディングス日本0.12%X線分析装置など科学機器を手がける企業
TWEKATKHグループオランダ0.12%産業用ケーブル、センサー、スマート製造関連企業
5274ASMedia Technology台湾0.11%PC・周辺機器向け高速インターフェース半導体を手がける企業
GLOBグローバントルクセンブルク0.11%デジタル開発・ITサービスを展開する企業
454910ドゥーサン・ロボティクス韓国0.10%協働ロボットを手がける韓国のロボット企業
PRLBプロトラブズ米国0.10%3Dプリンティングや短納期試作・製造サービスを展開
AUTOオートストア・ホールディングスノルウェー0.10%倉庫自動化システムを展開するロボティクス企業
INRNインターロールスイス0.10%物流・搬送システム向け部品を展開
IMDIMDEXオーストラリア0.10%鉱業向け計測・掘削支援技術を提供
JUN3ユングハインリッヒドイツ0.09%フォークリフト、倉庫設備、物流自動化を展開
OUSTオースター米国0.09%LiDARセンサーを手がける企業
6814古野電気日本0.09%船舶用電子機器、センサー、通信機器を展開
6516山洋電気日本0.08%冷却ファン、サーボモーター、電源装置を展開
9759NSD日本0.08%システム開発・ITサービスを提供する日本企業
4733オービックビジネスコンサルタント日本0.08%会計・業務ソフト「奉行」シリーズを展開
DUEデュールドイツ0.08%自動車生産設備、塗装設備、産業機械を展開
3035Faraday Technology台湾0.08%ASIC設計サービスを手がける半導体設計企業
7734理研計器日本0.07%ガス検知器・産業用計測機器を展開
4373シンプレクス・ホールディングス日本0.07%金融・企業向けシステム開発を手がける企業
TATATECHタタ・テクノロジーズインド0.06%製造業向けエンジニアリング・設計支援を展開
4919ヌヴォトン・テクノロジー台湾0.06%マイコンや音声ICなどを手がける半導体企業
MBLYモービルアイイスラエル0.06%自動運転・ADAS向け画像認識技術を展開
140860パークシステムズ韓国0.06%原子間力顕微鏡など精密計測装置を手がける企業
OERLOCエリコンスイス0.05%表面処理、コーティング、産業技術を展開
INDIインディ・セミコンダクター米国0.05%自動車向け半導体、センサー関連を手がける企業
3697SHIFT日本0.05%ソフトウェアテスト、品質保証サービスを展開
6526Airoha Technology台湾0.05%通信・音響向け半導体を手がける企業
CEVACEVA米国0.04%DSP・AI・通信向け半導体IPを提供
900926上海宝信ソフトウェア中国0.04%製造業・鉄鋼業向けITソリューションを展開
6258平田機工日本0.04%自動車・半導体・家電向け生産設備を展開
6104芝浦機械日本0.04%成形機、工作機械、産業用ロボット関連機器を展開
6914オプテックスグループ日本0.04%センサー、画像処理、監視・自動ドア関連機器を展開
PDペイジャーデューティ米国0.04%IT運用自動化・インシデント管理ソフトウェアを提供
ASANアサナ米国0.04%チーム業務管理・ワークフロー管理ソフトウェアを提供
MLABメサ・ラボラトリーズ米国0.03%医療・産業向け計測・品質管理機器を展開
348210Nextin韓国0.03%半導体検査装置関連企業
7160ペンタマスターマレーシア0.03%自動化装置・半導体検査装置を展開
HYハイスター・エール米国0.03%フォークリフトや物流機器を手がける企業
CMCOコロンバス・マッキノン米国0.03%吊り上げ・搬送機器、モーション制御機器を展開
4776サイボウズ日本0.03%業務改善・グループウェアを提供するソフトウェア企業
NA9ナガロドイツ0.03%デジタルエンジニアリング・ITサービス企業
3673ブロードリーフ日本0.02%自動車アフターマーケット向け業務ソフトを提供
KOMNコマックススイス0.02%ワイヤーハーネス加工機など自動化設備を展開
3687フィックスターズ日本0.01%高速化ソフトウェア、AI・量子関連開発支援を展開
LEHNLEMホールディングスイス0.01%電流・電圧センサーを手がける計測部品メーカー
MVISマイクロビジョン米国0.01%LiDAR・レーザー走査技術を手がける企業
DOMOドーモ米国0.01%BI・データ可視化プラットフォームを提供

iShares Automation & Robotics ETFの中身を見ると、「ロボットメーカーだけを集めたETF」ではないことがわかります。ロボットや自動化を実現するための周辺技術まで、幅広くカバーしているのが特徴です。

上位銘柄には、インテル・AMD・KLA・テラダイン・アドバンテスト・エヌビディアといった、半導体・半導体製造装置・検査装置関連の企業が多く含まれています。ロボティクスや自動化の発展には、AI半導体・センサー・制御チップ・検査装置などが不可欠なため、こうした構成になっています。

一方で、ファナック・安川電機・ABB・ロックウェル・オートメーション・シーメンス・ダイフク・キーエンス・オムロンのような、工場自動化や産業用ロボットに近い企業もしっかり組み入れられています。このあたりが、NASDAQ100や半導体ETFとは性格の異なる点です。

つまり、このETFは「AIソフトウェアに特化したETF」でも「ロボットメーカーに集中したETF」でもありません。半導体・産業用ロボット・工場自動化・センサー・計測機器・業務ソフトウェア・物流自動化まで含めた、幅広いオートメーション関連企業への投資と考えるとイメージしやすいでしょう。

2522を通じてこのETFに投資する場合、日本円で買える東証ETFでありながら、米国・日本・欧州・台湾・韓国などのロボティクス関連企業に実質的に分散投資できます。半導体ETFほど半導体に偏らず、BOTZほどロボットメーカーに寄りすぎない、バランスの取れたロボティクス・自動化ETFといえます。

iシェアーズ オートメーション&ロボットの過去のリターン

データ取得日:2026年4月30日
情報元:ブラックロック公式ページ

期間対象期間リターン
1年2025/04/30 → 2026/04/30+58.59%
3年2023/04/30 → 2026/04/30+27.83%(年率)
5年2021/04/30 → 2026/04/30+16.40%(年率)
10年データなし
設定来2018/11/14 → 2026/04/30+20.26%(年率)

ブラックロック公式ページによると、2026年4月30日時点のリターンは、1年で+58.59%、3年年率で+27.83%、5年年率で+16.40%、設定来年率で+20.26%となっています。なお、設定から10年が経過していないため、10年リターンのデータはありません。

過去のリターンを見ると、全体的に力強い数字が並んでいます。特に直近1年の上昇幅が大きく、AI・半導体・ロボティクスへの期待が価格に織り込まれてきた様子がうかがえます。

ただし、年次のリターンを見ると、2022年は-24.46%と大きく下落した年もあります。その後は2023年に+47.90%、2024年に+18.93%、2025年に+15.02%と回復していますが、局面によっては値動きが荒くなる点は念頭に置いておく必要があります。

長期的な成長への期待は持てる一方で、ハイテク株や半導体株が調整する局面では、相応に下落するリスクもあります。値動きの安定性を重視するよりは、「ロボット・自動化・AI半導体の成長を長期で取りに行くETF」として捉えるのが自然な見方だと思います。

NASDAQ100と日経平均との比較

2522の設定日、2018年11月14日から、2026年5月1日までのチャートです。

値動きの性格としては、2522は日経平均よりもNASDAQ100に近い動きをしやすいETFです。組入上位に半導体・AI・産業用テクノロジー関連の企業が多く、金利動向やハイテク株のバリュエーションの影響を受けやすいためです。

NASDAQ100は、2019年+37.96%、2020年+47.58%、2021年+26.63%、2022年-32.97%、2023年+53.81%、2024年+24.88%、2025年+20.17%と、AI・大型テック主導で強い時期が続きました。2522も2022年に大きく下落し、2023年以降に力強く回復しており、方向感としてはNASDAQ100と似た動きになりやすいです。

ただし、NASDAQ100が米国の大型テック企業中心であるのに対して、2522は日本・欧州・米国のロボティクス・自動化・半導体製造装置・産業機器まで幅広く含む点が異なります。

日経平均との比較で言えば、2522のほうがテーマ性はかなり強めです。日経平均が日本を代表する大型株全体の指数であるのに対して、2522はロボティクス・自動化という特定テーマに絞っています。相場全体が上昇する局面では日経平均と同じように上がることもありますが、AI・半導体・産業テックが強い局面では、2522のほうが大きく上昇しやすい傾向があります。

一方で、逆の場面もあります。ハイテク株のバリュエーションが調整されたり、半導体サイクルが悪化したりすると、日経平均より大きく下落する可能性も十分あります。

各指数・ETFの特徴をまとめると、以下のようになります。

指数・ETF特徴値動きのイメージ
2522ロボティクス・自動化・半導体製造装置・産業機器に集中成長性は高いが、テーマ型なので値動きは大きめ
NASDAQ100米国大型テック中心AI・クラウド・半導体・大型ITの影響が大きい
日経平均日本の大型株全体日本株全体の景気・為替・企業改革の影響を受けやすい

2522はNASDAQ100ほど巨大テック企業に集中しているわけではありませんが、AI・半導体・産業自動化の流れを受けやすいETFです。日経平均やNASDAQ100の代替というより、それらとは別に、ロボティクス・フィジカルAIというテーマを長期で取りに行くための選択肢として見るのが自然だと思います。

どの証券会社で購入できる?

2522は東証上場ETFのため、国内株式・国内ETFを取り扱う主要なネット証券であれば、基本的にそのまま売買できます。また、ブラックロック公式ページおよびファクトシートによると、新NISAの「成長投資枠」の対象ファンドとされています。非課税枠を活用しながら投資したい方にとっては、使い勝手のよい選択肢のひとつです。

証券会社取扱新NISA対応
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)

iシェアーズ オートメーション&ロボットの将来性

2522が投資対象とするオートメーション・ロボティクスは、長期的に見てもかなり重要なテーマだと思います。その理由を3つ挙げます。

1つ目は、世界的な人手不足です。 日本に限らず、多くの先進国で労働人口の伸びが鈍化しています。製造業・物流・医療・建設・インフラ点検など、人手が足りない現場ほど、自動化やロボット導入の必要性は高まっていきます。

2つ目は、AIの進化です。 従来のロボットは「工場内で決まった作業を繰り返す機械」というイメージが一般的でしたが、生成AI・画像認識・センサー・シミュレーション技術の進化により、現実世界を認識・判断しながら動くロボットの開発が進んでいます。いわゆるフィジカルAIの発展は、ロボティクス分野にとって大きな追い風です。

3つ目は、半導体・センサー・制御技術の高度化です。 ロボットを動かすには、AIチップ・センサー・モーター・制御装置・計測機器・通信技術など、さまざまな要素技術が必要です。2522の上位銘柄にアドバンテスト・KLA・テラダイン・NVIDIA・AMDといった企業が並んでいるのは、こうした産業構造を反映しています。

なお、国際ロボット連盟(IFR)は、世界の産業用ロボット導入台数について、2025年に57万5,000台、2028年には70万台超になる見通しを示しています。


一方で、注意点もあります。ロボティクスは魅力的なテーマですが、普及には時間がかかります。特にヒューマノイドロボットのような分野では、技術的な完成度・導入コスト・安全性・バッテリー性能などの課題がまだ残っています。McKinseyも、普及にはコスト低下と実用性の改善が必要だと指摘しています。

2522は「短期間で大きなリターンを狙う」タイプのETFというより、AI・半導体・ロボット・自動化が社会に浸透していく流れを10年単位で取りに行くETFと考えるのが自然だと思います。

どのような人に向いているか?

向いている人

  • ロボティクスやオートメーションの長期成長に投資したい
  • フィジカルAIや産業自動化のテーマに関心がある
  • 米国だけでなく、日本や欧州のロボット関連企業にも投資したい
  • NVIDIAやAMDだけでなく、半導体製造装置・産業機器・制御機器まで広く持ちたい
  • 成長投資枠でテーマ型ETFを組み入れたい
  • BOTZよりも分散されたロボティクスETFを好む
  • 短期の値動きより、10年単位の成長テーマを重視する

向いていない人

  • 値動きの小さい安定型ETFを探している
  • 分配金利回りを重視する
  • 米国大型テックだけに集中投資したい
  • ロボティクスや半導体関連の下落に耐えられない
  • すでにNASDAQ100や半導体ETFをかなり多く持っていて、テーマの重複を避けたい
  • 短期売買で安定した利益を狙いたい

2522は、テーマとしての魅力は十分あるETFです。ただし、どんな投資家にも合うコア資産というよりは、ポートフォリオの一部に組み込むサテライト枠として考えるのが自然だと思います。

たとえば、全世界株式やNASDAQ100をメインに持ちながら、ロボティクス・フィジカルAI・自動化の成長も取りに行きたいという場合には、2522はかなり使いやすい選択肢になります。

一方で、すでにSMHやSOXXのような半導体ETF、NASDAQ100、AI関連ファンドを多く保有している場合は、2522とテーマが一部重なります。特に半導体製造装置やAI半導体関連の影響を受けやすい銘柄が共通しているため、ポートフォリオ全体でハイテク・半導体に偏りすぎていないかは、一度確認しておくとよいでしょう。

まとめ

iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF(2522)は、世界のロボティクス・オートメーション関連企業に投資できる東証上場ETFです。

このETFの魅力は、ロボットメーカーだけに留まらず、半導体製造装置・センサー・計測機器・工場自動化・産業用制御機器など、自動化社会を支える幅広い企業に投資できる点にあります。

AIの活躍の場は、ソフトウェアの中だけに留まらず、工場・物流・医療・建設・インフラ・生活支援など、現実世界で動くロボットや自動化設備とも結びついていく可能性があります。そう考えると、2522は「フィジカルAI」や「産業の自動化」という長期テーマを取るためのETFとして、注目しておく価値がある存在です。

一方で、テーマ型ETFである以上、値動きは小さくありません。2022年のように大きく下落する年もありますし、半導体・AI関連株の調整局面では、日経平均などと比べて下落幅が大きくなる可能性もあります。

ポートフォリオの中心に置くというより、成長テーマを取りに行くサテライト枠として活用するのが現実的な使い方だと思います。ロボティクス・オートメーション・フィジカルAI・半導体製造装置の長期的な成長に期待するなら、候補として検討してみる価値のある一本です。

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