BOTZとは?ロボット・AI関連ETFの特徴・構成銘柄・リターンをわかりやすく解説

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BOTZとは?

BOTZは、Global X Robotics & Artificial Intelligence ETFのティッカーシンボルで、ロボティクスと人工知能の普及によって恩恵を受ける企業にまとめて投資できる米国ETFです。

投資対象の範囲は幅広く、産業用ロボット・工場自動化・手術支援ロボット・自動運転・ドローン・AI半導体・ロボット向けソフトウェアなど、このテーマに関わる多様な分野をカバーしています。ベンチマークはIndxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Indexで、世界の関連企業に分散投資しつつも、テーマ型ETFらしくポートフォリオの中身はかなり絞り込まれています。

BOTZの面白いところは、いわゆる「AIソフト」の企業だけでなく、AIが現実の世界で動くために必要なハードウェアや自動化設備にも投資できる点です。

NVIDIAのようなAI半導体メーカーはもちろん、ファナック・キーエンス・ダイフク・ABB・インテュイティブ・サージカルといった”物理側”の有力企業が上位銘柄に名を連ねています。生成AIブームの次に来る「実装フェーズ」——つまり、AIが実際の工場や医療現場・物流などで活用される段階——を見据えたい方には、注目しておく価値のあるETFかもしれません。

基本情報

※データは主に2026年4月20日時点。

  • 正式名称:Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF
  • ティッカー:BOTZ
  • 運用会社:|Global X
  • 連動指数:Indxx Global Robotics & Artificial Intelligence Thematic Index
  • 上場市場:NASDAQ
  • 設定日:2016/09/12
  • 経費率:0.68%
  • 組入銘柄数:62銘柄
  • 配当金支払頻度:年2回
  • 配当金利回り: 0.63%〜0.68%程度
  • 純資産総額|約33.7億ドル

BOTZは、テーマ型ETFとしては運用規模がしっかりしており、売買のしやすさという点でも大きな不満はありません。一方で、経費率はS&P500やNASDAQ100に連動する王道ETFと比べるとかなり高めに設定されています。

つまり、「広く・安く・長く持つ」タイプのETFではなく、特定テーマに絞って高い成長を狙いにいくETFとして捉えるのが自然です。値動きもやや大きめで、ポートフォリオの中心に据えるコア資産というよりは、サテライト枠として一部組み入れるイメージが合っているでしょう。

構成銘柄の選定方法

BOTZの連動指数では、次のような考え方で銘柄が選ばれています。

  • ロボット・AIの普及拡大で恩恵を受ける企業を対象にする
  • 対象テーマは主に
    • 産業用ロボット・自動化
    • 無人車両・ドローン
    • 非産業用ロボティクス
    • ヒューマノイド技術
    • 人工知能
  • 最大100銘柄まで組み入れ候補にする
  • 企業はPure-Play、Pre-Revenue、Diversified-Revenueに分類される
  • Pure-Play企業は、関連事業売上が50%超の企業
  • Diversified-Revenue企業は、関連売上50%未満でも重要プレーヤーとして認識される企業
    • 採用条件として、概ね
    • 時価総額3億ドル以上
    • 先進国または中国上場
    • 売買代金要件
    • 浮動株比率10%以上
      などの制約がある
  • 年2回(3月・9月)にリバランスされる

BOTZのポイントは、単に「AI」という名前がつく企業を集めているわけではない点です。ロボティクスや自動化、そして物理的な場面でAIが活用される領域で実際に利益を得やすい企業を選んだうえで、時価総額をもとに組入比率を決めています。

結果として、キーエンス・ファナック・SMC・ダイフクといった日本の自動化関連企業や、NVIDIA・Intuitive Surgicalのような米国の有力企業が上位に入りやすい構成になっています。「AIブームの恩恵を、ソフトだけでなくハードや設備の側からも取りにいく」という設計が、このETFの特徴といえます。

全構成銘柄と比率

データ取得日:2026年4月24日
情報元:Global X公式サイト「Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF(BOTZ)Full Holdings」

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ティッカー銘柄名国名比率説明
ABBN SWABBスイス9.03%産業用ロボット、電動化、オートメーションに強いスイスの大手企業。
NVDAエヌビディア米国8.82%AI半導体・GPUで高いシェアを持ち、ロボティクスや自動運転分野でも重要な企業。
6861 JPキーエンス日本7.90%FAセンサーや画像処理機器に強い、日本を代表する高収益の自動化関連企業。
6954 JPファナック日本7.67%産業用ロボットやCNC装置を手がける、日本のロボット関連大手。
ISRGインテュイティブ・サージカル米国7.54%手術支援ロボット「ダヴィンチ」で知られる医療ロボット分野の代表企業。
6273 JPSMC日本4.41%空気圧制御機器に強く、工場自動化を支える日本の大手メーカー。
300124 C2深圳市匯川技術中国4.04%産業オートメーションや制御機器を展開する中国の自動化関連企業。
6383 JPダイフク日本3.32%物流システムやマテリアルハンドリング設備に強い日本企業。
9660 HKホライゾン・ロボティクス中国2.66%自動運転やロボティクス向けAI半導体・ソフトウェアを手がける中国企業。
300757 C2ロボテクニック・インテリジェント・テクノロジー中国2.30%産業用ロボットや自動化装置を手がける中国のロボティクス関連企業。
GOOGLアルファベット米国2.22%Google検索、クラウド、AI、自動運転関連技術などを展開する巨大テック企業。
AVAVエアロバイロンメント米国2.13%無人航空機やロボティクス、防衛向け自律システムに強い米国企業。
BIDU百度中国2.12%検索、AI、自動運転、クラウドを展開する中国の大手インターネット企業。
CGNXコグネックス米国1.96%工場向け画像認識、マシンビジョン、バーコード読み取り装置に強い企業。
1810 HK小米集団中国1.88%スマートフォン、IoT機器、EV、スマート家電を展開する中国のテクノロジー企業。
6506 JP安川電機日本1.87%産業用ロボット、モーション制御、サーボモーターに強い日本企業。
TSLAテスラ米国1.80%EV、自動運転、AI、ロボティクス関連技術を展開する米国企業。
AURオーロラ・イノベーション米国1.75%自動運転トラックや自動運転システムの開発を進める米国企業。
277810 KSレインボー・ロボティクス韓国1.73%協働ロボットや二足歩行ロボットなどを手がける韓国のロボティクス企業。
XPEV小鵬汽車中国1.67%EVや自動運転技術を展開する中国の新興自動車メーカー。
SYMシンボティック米国1.62%倉庫自動化・物流ロボットシステムを手がける米国企業。
JBTMJBTマレル米国1.47%食品加工向け自動化機器や産業用システムを展開する企業。
6645 JPオムロン日本1.43%制御機器、センサー、ヘルスケア機器を展開する日本の自動化関連企業。
9880 HK優必選科技中国1.26%ヒューマノイドロボットやサービスロボットを手がける中国企業。
PATHUiPath米国1.04%RPAによる業務自動化ソフトウェアを提供する企業。
RSW LNレニショー英国0.95%精密計測、製造プロセス制御、エンコーダなどに強い英国企業。
AUTO NOオートストア・ホールディングスノルウェー0.94%倉庫自動化システムやロボット収納システムを展開するノルウェー企業。
2252 HK上海マイクロポート・メドボット中国0.92%手術支援ロボットなど医療ロボットを手がける中国企業。
454910 KS斗山ロボティクス韓国0.89%協働ロボットを中心に展開する韓国のロボティクス企業。
688297 C1中航成都無人機中国0.85%無人航空機や関連システムを手がける中国企業。
PONYポニーAI中国0.82%自動運転技術を開発するAI・モビリティ関連企業。
688169 C1北京ロボロック・テクノロジー中国0.82%ロボット掃除機などのスマート家電・ロボティクス製品を展開する中国企業。
ATS CNATSカナダ0.71%産業用自動化システムや製造ライン自動化に強いカナダ企業。
HIAB FHヒアブフィンランド0.70%荷役機械、クレーン、物流機器を展開するフィンランド企業。
6600 HK越疆科技中国0.66%協働ロボットや産業用ロボットアームを手がける中国企業。
HSAIヘサイ・グループ中国0.63%自動運転やロボティクス向けLiDARセンサーを手がける中国企業。
108490 KSロボティズ韓国0.62%ロボット部品、アクチュエーター、サービスロボットを展開する韓国企業。
300024 C2瀋陽新松ロボット自動化中国0.61%産業用ロボットや自動化システムを展開する中国のロボット企業。
WRDウィーライド中国0.56%自動運転技術やロボタクシー関連サービスを展開する中国企業。
002747 C2埃斯頓自動化中国0.49%産業用ロボットやモーション制御機器を手がける中国企業。
2498 HKロボセンス・テクノロジー中国0.46%自動運転・ロボティクス向けLiDARセンサーを展開する中国企業。
NQM6 IndexNASDAQ100 E-mini先物米国0.46%NASDAQ100指数を対象とする株価指数先物。個別企業の株式ではありません。
TECN SWテカン・グループスイス0.44%研究・医療向け自動化装置やラボ機器を手がけるスイス企業。
OUSTアウスター米国0.39%自動運転、産業、ロボティクス向けLiDARセンサーを手がける米国企業。
OMCLオムニセル米国0.37%医療機関向けの薬剤管理自動化システムを提供する米国企業。
2432 HK深圳市越疆科技中国0.35%協働ロボットや教育・産業向けロボットを展開する中国企業。
EXA FPエグザイル・テクノロジーズフランス0.31%自律システム、ロボティクス、海洋・防衛向け技術を展開するフランス企業。
PRCTプロセプト・バイオロボティクス米国0.30%泌尿器科向け手術支援ロボットを手がける医療ロボット企業。
688165 C1埃夫特智能装備中国0.24%産業用ロボットやスマート製造システムを手がける中国企業。
APPNアピアン米国0.21%業務プロセス自動化やローコード開発プラットフォームを提供する企業。
388720 KSユイル・ロボティクス韓国0.17%産業用ロボットや自動化装置を手がける韓国企業。
SERVサーブ・ロボティクス米国0.15%ラストワンマイル配送向けの自律走行ロボットを開発する米国企業。
6104 JP芝浦機械日本0.14%射出成形機、工作機械、産業機械などを展開する日本企業。
6258 JP平田機工日本0.13%自動車、半導体、家電向けの生産設備・自動化装置を手がける日本企業。
EH億航智能中国0.12%自律飛行型の空飛ぶクルマやドローン関連技術を開発する中国企業。
RRリッチテック・ロボティクス米国0.10%飲食・サービス業向けのサービスロボットを展開する米国企業。
090360 KSロボスター韓国0.09%産業用ロボットや自動化装置を手がける韓国企業。
2431 HKミニアイ・テクノロジー中国0.09%自動運転支援システムや車載AI技術を手がける中国企業。
CRNCセレンス米国0.09%車載音声認識やAIアシスタント技術を提供する米国企業。
455900 KSエンジェル・ロボティクス韓国0.07%リハビリ支援や歩行補助ロボットを手がける韓国企業。
2121 HK創新奇智中国0.06%企業向けAIソリューションや産業AIを展開する中国企業。
1274 HK知行汽車科技中国0.00%自動運転支援システムやスマートモビリティ関連技術を手がける中国企業。

*小数第2位表示のため0.00%表記。

BOTZの中身を見ると、工場自動化・物流自動化・医療ロボット・自動運転・LiDAR・ドローンまで幅広く含まれており、単純な「AI ETF」とは少し異なる顔を持っています。

上位銘柄にはABB・キーエンス・ファナック・SMC・ダイフク・安川電機など、設備投資の拡大局面で恩恵を受けやすい企業が多く、全体としてはかなりフィジカルAI寄りの構成です。一方でNVIDIA・Alphabet・BaiduといったAI計算・ソフトウェア側の銘柄も組み入れられており、ハードとソフトの中間を狙ったバランスになっています。

国別の比率(2026年2月28日時点)は、米国38.71%・日本32.31%・スイス11.30%・韓国6.44%が上位を占めています。米国発のAIテーマETFでありながら、日本のロボット関連企業がしっかり組み入れられている点はBOTZの大きな特徴のひとつです。NASDAQ100とは性格がかなり異なるETFだと理解しておくとよいでしょう。

過去のリターン

Global X公式サイトの2026/3/31時点のNAVベース年率リターンを使うと、以下の通りです。なお、10年は設定来10年未満のため未算出です。

期間日付リターン
1年2025/03/31 → 2026/03/31+15.46%(年率)
3年2023/03/31 → 2026/03/31+9.11%(年率)
5年2021/03/31 → 2026/03/31+0.03%(年率)
10年設定来10年未満のためなし
設定来2016/09/12 → 2026/03/31+9.04%(年率)

直近1年のパフォーマンスは悪くありませんが、5年年率がほぼ横ばいに近いことを見ると、テーマへの期待の高さと実際の投資成果は必ずしも一致しないことがわかります。2020〜2021年のテーマ株相場で大きく上昇したあと、2022年以降の調整でかなり値を削られ、その後に持ち直してきたという流れが、数字にそのまま表れています。

値動きの面では、標準偏差22.40%・S&P500に対するベータ1.27と、幅広いインデックスと比べてブレが大きめです。上昇局面では勢いが出やすい反面、調整局面ではかなり大きく下げる可能性もあります。長期保有を前提にする場合でも、この値動きの荒さはあらかじめ織り込んでおいたほうがよいでしょう。

NASDAQ100とS&P500との比較

BOTZの設定来年率リターンは**+9.04%です。一方、SPYの2026年3月31日時点における設定来年率リターンは+10.45%**でした。設定来のトータルで見ると、BOTZはS&P500の代表ETFであるSPYを明確には上回れていないのが現状です。

NASDAQ100に連動するQQQについては、Invesco公式サイトによると過去10年のうち7年でS&P500を上回っており、1999年の設定来ではS&P500に対して累積で556.81%上回ったとされています。BOTZはAI・ロボットという魅力的なテーマを持ちながらも、長期的なリターン効率という点では、NASDAQ100ほどの実績をまだ積み上げられていないと見てよさそうです。

整理すると、

  • S&P500:幅広い銘柄に分散した安定型
  • NASDAQ100:大型ハイテク中心で長期リターンが強い
  • BOTZ:テーマ特化で上昇余地はあるが、値動きが大きくリターンにもムラが出やすい

という違いがあります。

BOTZは「NASDAQ100の代替」として使うより、NASDAQ100やS&P500に上乗せするサテライト枠として位置づけるほうが自然でしょう。ロボティクスやフィジカルAIが実際の利益成長につながる局面では面白みが出てきますが、期待先行の時期には値動きも荒くなりやすい点は意識しておきたいところです。

どの証券会社から購入できる?

証券会社取扱新NISA対応
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)

BOTZの将来性

BOTZが対象とする投資テーマには、かなり強い追い風が吹いています。Global Xは、世界のロボティクス市場が2025年の1,080億ドルから2035年には4,160億ドル近くまで拡大するという見通しを紹介しており、その背景としてAI計算コストの低下・人手不足・高齢化・リショアリング・ヒューマノイドを含む汎用ロボットの進化を挙げています。

今のAIブームは、ソフトウェアだけで完結する可能性は低いでしょう。次の段階では、工場・倉庫・病院・物流・自動車・ドローンといった現場にAIが組み込まれていくはずです。そのときに中心的な役割を担うのが、BOTZの組入企業群です。AI半導体・制御機器・センサー・搬送設備・医療ロボット・LiDAR・自動運転ソフトと、現実世界の自動化に必要な領域をかなり幅広くカバーしています。

ただし、将来性が高いことと、株価が順調に上がり続けることは別の話です。テーマ型ETFの宿命として、ブームの局面では買われやすい一方、業績が期待に追いつかない局面では大きく売られることもあります。将来性は十分あるものの、「夢は大きいが、道中はかなり揺れるETF」というのが、BOTZをいちばんよく表した見方かもしれません。

どのような人に向いている?

向いている人

  • AIを「ソフト」だけでなく「ロボット・自動化設備」まで含めて広く持ちたい
  • NVIDIAだけに集中せず、関連企業へまとめて分散したい
  • NASDAQ100やS&P500に加えるテーマ枠を探している
  • 値動きの荒さを受け入れて、長期で待てる
  • フィジカルAI、工場自動化、医療ロボ、自動運転の成長を信じる人

向いていない人

  • まずは王道のインデックスを中心に積み立てたい
  • 値動きの大きい商品が苦手
  • コストをできるだけ抑えたい
  • 安定した長期成績を最優先したい
  • 「AIに投資したい=まずNASDAQ100より良い成績を期待したい」と考える人

BOTZは、投資を始めたばかりの方に最初からすすめやすいETFではありません。ポートフォリオの中心に据えるなら、S&P500やNASDAQ100に連動するETFのほうが扱いやすいでしょう。

ただ、すでに王道インデックスをある程度持っていて、そのうえで「次の成長は現実世界の自動化にある」と考えている方には、相性のいいETFだと思います。BOTZは何でもカバーする万能型ではなく、明確なテーマ観を持った方向けのETFです。

まとめ

BOTZは、ロボティクスとAIの普及をテーマにしたETFとして、中身のしっかりした1本です。上位にはABB・NVIDIA・キーエンス・ファナック・インテュイティブ・サージカルなど、自動化やロボット導入の恩恵を受けやすい企業が並んでおり、「AIが現実の産業に浸透していく流れ」をまとめて買えるのが最大の強みです。

一方で、過去の成績を見ると、設定来年率はBOTZが+9.04%、SPYが+10.45%と、テーマの注目度ほどには結果が出しやすいETFではありません。NASDAQ100のような大型ハイテク指数と比べても、長期のリターン効率では見劣りしやすい面があります。つまりBOTZは、「これ1本で完結するETF」ではなく、「将来性のあるテーマを少し濃く持つETF」として使うのがいちばんしっくりくる使い方です。

結論としては、コアをS&P500やNASDAQ100で固めつつ、BOTZはサテライト枠で添える——この考え方であれば、かなり使いやすいETFになります。ロボティクス・物流自動化・医療ロボット・自動運転・フィジカルAIの成長を長い目で追いたい方には、十分検討に値する1本だと思います。

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